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嘆きの亡霊は引退したい 〜最弱ハンターによる最強パーティ育成術〜 コミカライズ版 3巻まで
剣と魔法の世界で、帝都有数のクラン「始まりの足跡」に属するパーティが会場でメンバーを募集していた。クランの代表クライ・アンドリヒはひそかにその場にいたが、冒険者同士でいざこざが起きたため、彼らに臨時のパーティを組ませて収拾をはかる。ファンタジー小説が原作のコミカライズ版。

2024年にアニメ化されたのを見て、一見かよわく見える少女が実はかなりの実力者で、そんな彼女が主人公のことをとても尊敬しているのに当の本人には自信がなくて流されているだけという中二病くさい設定についていけず3話で視聴をやめた。でもこれはアニメの演出が悪かったんじゃないかと思い、改めてこのコミカライズ版を読んでみた。やっぱりダメだった。

読者のあこがれるヒーロー像って、まずはただただ強くて自信に満ちあふれたキャラってのが王道で、次にめっちゃ強いのにそれを鼻に掛けず謙虚でいるキャラなんじゃないだろうか。この作品の主人公クライ・アンドリヒはさらにその亜種で、自分で自分の実力が分かっていないタイプのキャラみたいだった。

こいつは大手クランの代表なのでつまり数十人ぐらい?の強い冒険者を束ね、題にある最強パーティ「嘆きの亡霊」のリーダーも務めていた。それなのに本人は何の実力もないと思っている。ギルドからの抗議にもびくびくしており、自分が土下座して収めるつもりだった。

最初の話は、そんな彼がギルドから引き受けたやっかいな依頼を行き当たりばったりにいざこざの当事者たちに丸投げしたことで進む。冒険者の女の子ティノはクライのことを信奉しており、自分を成長させるための試練を与えてくれたと思って邁進する。しかし当のクライにはそんなつもりはなく、難しすぎる依頼だったと思ってあとから追いかけていってフォローしようとする。

ティノはその可憐な見た目にも関わらず、集まったメンバーの中でもっとも強く、生意気な噛ませ犬の若者を一蹴する戦闘力を持っていた。そんな彼女ですらクラン「始まりの足跡」の中では下位に過ぎず、彼女にとってクライは雲の上のような人だった。といった感じでクライのことを持ち上げている。

こういう設定が中二病をくすぐっているんだと思う。だからそれに乗って楽しめばいいのだけど、露骨すぎて自分には無理だった。

クライは戦闘能力に関しては本当に弱くて、両手の指に強力なマジックアイテムの指輪を装備しているし、自分でも制御できない飛行の力を持った魔法の外套(?)に振り回されながら駆けつけている。

自分が無理だと思った決定的な理由は、クライの束ねる最強パーティ「嘆きの亡霊」にいるシーフの女がかなりのパワハラ体質だったことだった。こいつはティノの師匠でもあるため、相当無茶をして彼女を指導しているシーンが描かれている。

こういうキャラがいるということ自体はまだいいんだけど、そんなクランの中にあってティノがクライのことを「ますたぁ」と呼んで甘えているのが不自然すぎる。どう考えても精神的におかしい。よっぽど追い詰められて裏返っちゃったとかでない限り。

とにかくみんなが憧れるような狂った最強キャラを出したいだとか、一方で主人公にべたべたと甘えるキャラを出したいだとか、本当は一目置かれるちゃんとした理由があるのに自信を持てない主人公だとか、無節操にいろんなことをしすぎて意味不明な作品になっていると思う。

3巻まで読んだけどメインストーリーが見当たらなかった。いったいこの先、なにを楽しみに読んでいけばよかったのだろう。

キャラにもあまり関心がもてなかった。たぶんこれから最強パーティ「嘆きの亡霊」が次々と出てくるんだろうけど、だから?ってなるのが目に見えていた。それぞれのキャラが一体なにをしたいのかだとか、どんなことが好きなのかというのもあまり描かれていなかったので、好きになりようがないと思う。

まあたぶん強いキャラがヤレヤレしながら自信たっぷりに活躍するのを見て楽しめる人にはいいのかなと思った。
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