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スウィングガールズ
夏休み中に補習を受けていた高校生の女の子たちが、自分たちの失敗により吹奏楽部の代わりに高校野球の予選で演奏しなければならなくなってジャズのビッグバンドを始め、最初は嫌々だったのが好きになって演奏する話。

その自分たちの失敗というのが、吹奏楽部のために弁当を運ぶ途中で電車で寝過ごして遅れてしまい、真夏の猛暑で痛んだ弁当を食べた部員たちが食中毒を起こしたというもので、こいつらのふてぶてしい態度に最初本当に腹が立った。等身大の女子学生がこんなにムカつくものなんだと、やや清清しい思いを持ったものの、作品を通じて登場する女子学生をかわいいと思ったのは全時間中一割もなかった。かわいさとか男ウケを狙った作品ではなく、どちらかというと女性向けの作品になっている。同監督によるウォーターボーイズも女性向けだったことを考えると、男の監督でここまで対象を女性に絞れるってのはある意味すごいと思う。

管楽器を素人がたった十日とかせいぜい数十日であそこまで吹けるようになるなんてありえないというツッコミはあるものの、彼女らが楽器を演奏しているさまは観ていて楽しい。宣伝のテレビコマーシャルでは楽器をクルクル回したり遊びをまじえて演奏するシーンが前に出されていて、なんだか音楽を馬鹿にしているような印象があって、私からすれば本作のイメージは正直悪かった。しかし実際に観てみるとそんなシーンは最後だけで、あとは普通に演奏していた。

丁寧に作られている。感覚的に二三十分ずつ物語が展開し、小手先の演出も過剰ではなく落ち着いており、観ていてそれほど気になるところはなかった。スーパーの前で全員が集まるところが不自然と言えば不自然だが、演出なのだからそこは突っ込むところではないだろう。ミュージカル的なお約束と思えば良い。

竹中直人が出ているので、また紋切り型の人物が出てくるのかと心配していたが、小心者のジャズ好きという人物を控えめに好演していて、私なんかが心配することじゃないなと思った。

テレビドラマの「のだめカンタービレ」で主演していた上野樹里が本作で主演している。なるほど、この映画から出てきた人だったのか。私からすればこの映画ではそんなに目立っていなかったように思った。脇役のメガネの女の子のほうに目が行ってしまった。唯一の男の方の好演もなんだか学生時代を思い出してニンマリとしてしまった。板金屋の兄弟も味があっていい。

良い点の多い作品だが、映画としては何かが足りないように感じる。ドキドキ感やワクワク感が足りないせいじゃないか。どうだろうか。本当に演奏が出来るのか、楽器は手に入るのか、メンバーが団結できるのか、観客をあっと驚かせる演奏は出来るのか、とこうして並べ立ててみればいくつも材料が用意されているものの、切迫感みたいなものが伝わってこなかった。わりと淡々としているせいだと思う。BGMとかカメラワークとか編集とかが平坦なんじゃないだろうか。BGMはジャズで統一したかったんだろうな。

25分×4話ぐらいに分けて、各話の終わりで危機を煽る編集をするスタイルが、この作品には一番向いていたと思う。でなければ、映画というスタイルに合った展開を考えたほうが良かったんじゃないだろうか。

ダイナミックさに欠けている点を除けばとてもよく出来た作品だと思う。
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