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千と千尋
この作品は子供から見た社会だ。

技巧を駆使する職人の頑固ジジイは、子供の目から見れば確かに腕が8本あるように見えるかもしれない。
ただ怒鳴り散らしているだけかと思えば「出来ないならやるな」「やり始めたなら最後までやれ」と労働倫理を教えてくれたりもする。
要求を聞いてくれない意地悪婆さんは、頭でっかちの魔女に見えるのかもしれない。
下校中にこっそり買い食いしているのを指摘でもされようものなら「この人は空を飛び、いつでも俺を監視しているんじゃないだろうか」とさえ思うかもしれない。

「橋を渡るまでは息をしてはいけないよ」
「何を言われても働かせてと言い続けるんだよ」
と、千尋はハクにわけの分からないルールを教えられたりもしている。
この時千尋は「お隣の悪口を言ってはいけません」と母親に注意された子供と同じ疑問を持っただろう。

子供の視点で社会が描かれている。
千尋の肌を露出させるシーンはいらなかった気もするが、とても面白い作品だと思う。
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