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アスリートは金のために日本へ来るのか
いったん中日と契約した大リーガーがそれを破棄してメジャーでプレイすることになった事件についての、アメリカ人スポーツ評論家マーティ・キーナートの端切れの悪い文章。大リーガーは金のために日本に来てるんだから、気が変わって嫌になったんだったら無理して引き止めることはないそうだ。

私はスポーツ新聞の記事で最初にこの事件のことを知った。中日は提訴するとまで言っているそうなので、この事件の詳しい続報が知りたかった。それをこのマーティ・キーナートが取り上げてくれていたのだから、わくわくしてクリックしたのだ。

ところがそこにあったのは、大リーグについての感傷に満ちた端切れの悪い文章だった。まずなにより事件の詳報がない。事実をありのままに書けば、自分の主張に不利になるからだろう。ケビン・ミラーは契約を破った。その事実すらぼやかされている。

私なりの解説をすると、ケビン・ミラーが行くことにしたレッドソックスは阪神タイガースみたいな球団だ。巨人のような球団であるヤンキースと対立している。文章にあるとおりなら、ケビン・ミラーがいたマーリンズはロッテとか横浜みたいな球団で、チームが弱いから目立たないので海外に目を転じて契約を結んだところ、名門球団からオファーがあった、とこんな感じだろう。

著者は金を強調する。ケビン・ミラーは確かに契約を破ったけど、物事はお金じゃないんだ、大金を得るチャンスを蹴ってまで自分の行きたいところに行ったんだ、と主張したいようにみえる。そう主張したいならすればいいのだが、この端切れの悪さだけは許し難い。
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