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21世紀への手紙
筑波科学万博のときにあったタイムカプセルのような手紙を、後日コンクールの形にして募集したものをまとめたもの。科学博は1985年に開かれたが、2001年の元旦に届く手紙という仕組みに326万通もの手紙がよせられ、そのうちの六千通余りがコンクールに応募してきた。

単純に面白そうな企画だったし、どんなことを書いたのか気になる。それに文藝春秋が文春新書なんたら記念にまとめた本だというから期待して買って読んでみた。もうちょっと立ち読みしてから買えば良かったと正直なところ後悔した。

入選作の半分ぐらいが、差出人もしくは受取人がすでに亡くなっていたというもの。残りの半分も、障害や深刻な病を持った肉親への記述のあるもの。それも、事実は小説より奇なりなどという言葉のかけらもないほど平凡なものばかり。期待以上だった点はといえば、すべて素人の書いた文章であるにもかかわらずそれなりの文章のレベルがそろっていたことだろうか。

審査員の一人があとがきでぼやきに近いことを言っていたのだが、ユーモアの利いた面白い手紙なんかは意見が合わずに選外になってしまったようだ。題名からして面白そうだし読んでみたかった。ユーモアという芸術がもっと広まるといい、と犬養亜美という作家が言っていたのには共感した。

とまあけなしてきたが、読みにくい中を読んでいくとやはり時々涙を誘われるような話も入っている。特に心臓の弱い母親が無理をして子供を産んだときのエピソードには泣けてきた。手術前の我が子への手紙を書いた母親の激情ほとばしる手紙にも迫力があった。少なくとも数編は傑作があった。

無理して読むほどの本ではないが、読んだら読んだなりの良さもある。ちょっと分厚くて途中であまり読む気がしなくなったりするのだけど。

補足しておくと、手紙の主や受取人への追跡調査編も入っている。あまりうまいライターが書いたものじゃないと思うが、後日談も知ることができていい。
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