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205mm Dual Brake (FR205DB)
イギリスのキックボードブランドFRENGYが出している中型の非電動キックボード。205mmのウィール(車輪)を備えたそこそこ大きなサイズのキックボードで、前後輪にブレーキがついているのが特徴。電動モーターがついていないので片足で地面を蹴って走る。

よく一緒に会社のグチを言っている同僚が、急にキックボードが欲しくなって買ったというので話を聞いているうちに、自分も欲しくなってついつい買ってしまった。アマゾンで送料込みで大体一万六千円ぐらいした。

キックボードとはハンドルのついたスケボー(スケートボード)みたいなもので、自転車と違ってペダルがないので足で蹴って滑走する。基本的に立って乗るのでサドルがなく、足を乗せる台がついている。タイヤは小さくて折りたたむとコンパクトに持ち運びできる。キックスケーターとかキックスクーターとも呼ぶらしい。

いまキックボードといえば電動のものがホットなのだけど、いくら規制が緩和されたといっても保険に加入しないといけないのがうっとうしすぎるのであきらめた。条件次第でナンバープレートやウィンカーが要らなくなったところでこんなもん広まるんだろうか。

非電動のキックボードというと、ごくたまに子供が乗っているのを見たことがあるのだけど、あんなもんあってもなくても大してかわらんやろと思っていた。最初に買った同僚によると、諸事情により自転車が使えないのでキックボードにしたと言っていた。駐輪場が要らないし、折りたためばそのまま電車にも乗れる。

その同僚が買ったのはフランスのブランドOXELOのCommute 900という割と大きなやつで、前輪にサスペンションまでついて三万円以上したらしく、重量があって滑走性能が良さそうだったから決めたと言っていた。…と最初はそれを納得して聞いていたのだけど、搭乗者が60kg以上あるのに本体の重量なんてそんなに関係あるのか?本当に東工大の機械系を出ているのか?いいベアリングを使っているとかなら分かるんだけど。素人に分かりやすく言っただけか?

自分はさすがにそこまで本格的なものは買うつもりがなくて、かといって中国製の安いものとか小さくて乗りにくそうなものには興味がなかったので、ちょっと調べてみてお買い得そうなものがあれば買おうかなあと思ってたら、こいつが型落ちで安かったし最新型と比べてそこまで違いはないようだったので、迷った末にたまにはこういうのもいいかと思って買ってみた。

前置きが長くなったけど注文したら二日後に届いたのでさっそく組み立てて乗ってみたら、正直もうちょっと滑らかに動くと思っていたので少しガッカリした。ゴムタイヤじゃなくて固いウレタンゴム製なので、ローラースケートやスケボーのタイヤをでっかくしたような感じ。自転車のようにペダルをこいだらスイスイ進むようなのと違い、足で地面を蹴って慣性で進むので、凹凸のある道路ではすぐに速度が落ちてしまう。

街の歩道は意外とタイル敷きが多いのでウレタンタイヤには適さない。でもたまにすごく滑らかな舗装道路があって、びっくりするぐらいスムーズに進むので感動する。こんな道ばかりだったらきっと最高の移動手段になったと思う。サイクリングロードとか。あと、多少でこぼこがあっても緩やかな下り坂だと地面を蹴らずにずっと滑っていける。

ちなみに自転車と同じエアタイア(空気入れるやつ)のキックボードも一応あるけれど、そっちはそっちで空気圧の調整とかパンクの心配とかあるので一長一短みたいだった。

売りであるデュアルブレーキは、正直あまり頼りにはならなかった。タイヤの直径が小さいので、トルクの関係上かなりの摩擦力が必要になり、特にフロント(前輪)のブレーキはメインでは使うなとしつこいぐらいに警告が張られていた。思い切り引くとタイヤがブレーキパッドにより摩耗するらしい。一方でリア(後輪)のブレーキは泥除けのような形をしており、足で押さえるとタイヤ全体を包み込むようにして働くので、タイヤをあまり摩耗させずに十分な制動が掛けられるようになっている。ちょっと慣れないと使い方が難しいけど。

折りたたむと持ち運べる。重量が4.76kgあるけれど肩掛け用のストラップがフレームに取り付けられているので、短時間であればそれほど気にならずに肩にかけられる。試しに近所のスーパーの中にあるDAISOのコーナーをうろついてみたけれど、人とすれ違うのも余裕だった。このモデルはハンドルも折りたためるので幅もとらない。ただし、折りたたみ傘を折りたたむ程度には面倒くさい。

折りたたんだり組み立てたりするときは、フレームの鉄パイプの接合部にある部品をちょこちょこいじる必要がある。メインフレームとハンドル部分との接合部はかなり精度が高くて操作しやすかった。ハンドルのポールの伸縮とアームの折りたたみは、フレームにあいた穴にスプリング式のボタンのようなポッチを引っかけて固定するようになっている。これだけだとパイプ同士の接合部に遊び(隙間)があるので別途クランプで締める。慣れれば一分以内に折りたたんだり組み立てたりできると思う。

ただ、このクランプがクセモノで、締めるのを忘れて乗っていたらいつのまにか落下してどっかへいってしまった。あわてて道を戻りながら目を皿のようにして路面を探したら見つかってホッとした。クランプ自体は手で回せるボルトで調整しつつテコの原理で簡単に締めることができるのだけど、ボルトは緩めすぎると振動で抜けてしまうので注意。ボルトとナットが抜けないようにしてほしかったけど、そうするとメンテナンス性も下がるので、なにかしら工夫が必要だと思う。クランプは失くしても千六百円ぐらいで手に入るらしい。

アマゾンのレビューを見たら、クランプのネジが5回の使用で折れたと言っている人がいた。写真を見て自分のと比べてみたら、確かにネジというかボルトの先端が短くなっていたので、たぶんナットのところで折れたのだと思う。自分はまだ全然乗っていないのでなんとも言えないけれど、仮に不良品でなかったとしても締めすぎの状態で強い振動を加え続けたら折れる可能性は十分考えられると思う。ちなみにクランプは二か所とも最悪つけなくても使用はできる。あくまで可動域の遊びをなくしてガタガタしないようにしているだけなので、スプリング式のポッチだけで普通に固定はできているし、実際そんなに気にならなかった。

というわけで、自転車と比べて数が出ていないせいか造りが甘い部分も見られるけれど、ちゃんと用途がある人、走るのはしんどいけどなにかしら運動しながら早く移動したい人、こういうガジェットが好きな人は買ってみてもいいと思う。
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