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嫌われ松子の一生 テレビドラマ版

TBS

傑作(30点)
2007年1月6日
ひっちぃ

当時としては高学歴の高校教師の真面目な女性が、ちょっとしたことから転落人生を歩む物語。

本作の特徴は、本当に普通の真面目な女性が、ほんのちょっと不器用で運が悪いばかりに、次々と面倒に巻き込まれていき、風俗や塀の中の世界に入ることになってしまうことだ。世の中を渡っていくのに必要なことについて考えさせられる。

過去と現在が平行して進んでいる。現在の時制では松子は何者かに殺されている。松子が誰に殺されたのかを、親戚のギャルとその男が追っていく造りになっている。正直現在は要らない。全然ミステリーになってない。結末のつけ方はまあ仕方ないというか一応納得だが、だから余計要らないと思う。

主演が内山理名ってのがすごいと思う。この人ってマイナーなアイドルじゃなかったっけ。何かの雑誌でソフトで健康的なグラビアを見た覚えがあるが、あんまりかわいくなかった印象がある。容姿についての感想は今も変わらない。だがそう考えると、役者としては使いやすかったのかもしれない。見終えたあとだと、松子の役で内山理名以外に適した人はすぐには思いつかない。演技のことはよく分からないが普通に楽しめた。

他にもかつての鈴木蘭々が名前を変えて風俗嬢として出ていたり、小池栄子が親友として出ていて、ちょっと蘭々は顔のクセが強くて若干違和感があったが普通に見れた。

本作は転落人生を扱っているので暗い話なのだが、エンディングテーマは底抜けに明るい。なんでこの曲を使っているのか途中までは不思議に思う以上にちょっと腹立たしかったが、最後まで観てやっと意味が分かった。こんな人生でも松子によくしてくれた仲間がいて、松子は世をひがんでもないし誰も憎んではいない。ラストも本当なら悲惨なシーンなのだが笑いながら死んでいく。

取り立てて心に残ったわけでもないが、観て十分に楽しませてもらった作品だった。

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