全カテゴリ
  ■ コンピュータソフト
    ■ ストラテジーゲーム
      ▼ Satisfactory

  • 新着リスト
  • 新着コメント

    登録

  • Satisfactory

    開発: Coffee Stain Studios, 販売: Coffee Stain Publishing

    最高(50点)
    2025年5月4日
    ひっちぃ

    FICSIT社の社員として未知の惑星に送り込まれたプレイヤーは、方々を探索して資源を掘り起こし、工場を建てて設備や装備を生産していく。工場シムと呼ばれるジャンルのコンピュータゲーム。

    サバイバルクラフトと呼ばれるジャンルの名作サブノーティカをクリアしたあと、その発展形とも言える工場シムの代名詞であるFactorioに興味を持ったのだけど、あのゲームはセールしないことで知られ、迷っていたらこのSatisfactoryの方が正式リリース前にセールされていたので先にこっちをやってみることにした。とてもおもしろかった。

    前述のサブノーティカのほか、ガストのアトリエシリーズなど、収集した素材を合成することによって強いアイテムを作ることができるゲームがあるのだけど、この工場シムは一言で言うと合成を自動化するのが目的になっている。

    ゲームは宇宙船というか探査ポッドのような一人用の乗り物から惑星に降り立つところから始まる。オープニングデモが終わると、まずは指示に従ってその乗ってきた探査ポッドを分解する。その後、惑星をうろついて資源を拾い、それをもとに工作台を使っていろんなアイテムを作っていく。いったん工場とは関係なくサバイバルクラフト的な展開となる。

    次に制作機と呼ばれる設備を設置する。そいつに材料をセットすれば、アイテムが自動的に作成されるようになる。作ったアイテムは手で取り出す。こいつを動かすには電気が必要なので、バイオマス・バーナーと呼ばれる発電機を作り、拾った草木を放り込んで発電する。

    状況が変わるのは採鉱機と呼ばれる設備を建設してからで、こいつは掘り出した資源を出す搬出口を備えている。一方で前述の制作機には材料を投入する搬入口と、完成品が出てくる搬出口を備えている。そのまえに製錬炉があって、掘り出した鉱石を入れる搬入口と、精錬したインゴットつまり金属の塊を出す搬出口があるので、これらをベルトコンベヤーでつなぐと自動的にアイテムがその上を流れて次のアイテムが作られていく。最終的にコンテナを置いておいて作ったアイテムがそこに流れ込んでいくようにする。

    最初は材料と完成品とが一対一なのだけど、複数の材料が必要になってきたり、扱いの難しい液体や気体が出てきたり、ベルトコンベヤーで運んでいられないほど遠方からトラックや電車なんかで持ってこないといけなくなったりする。

    これらの要素はティアと呼ばれる解放要素により段階的に使えるようになっていく。それらを解放するには要求されるアイテムをまとめて納品する必要がある。一方でこれとは別にマイルストーンと呼ばれる最終目標への道筋があり、軌道エレベーターを建設してそこに要求される資材を投入していくと、衛星軌道上に宇宙船が作られていき、最後までいくとゲームクリアとなる。

    生産ラインの建設に夢中になった。実際にベルトコンベヤーでいろんなものが流れて動いていくのを見るのは楽しい。ちゃんと整えてやれば何もしなくても自動的にモノが作られていく。ベルトコンベヤーは3Dのインタフェースで好きなようにつなげることができる。あまり急な角度や勾配でつけることはできないけど。

    そうこうしているうちにひどい3D酔いを体験した。ベルトコンベヤーが地面をはっているので、飛び越えるためにジャンプしているうちに酔いが悪化した。このゲーム、操作方法がいわゆる「キーマウ」つまりキーボードとマウスで、移動がキーボードのAWSDキー、視点がマウス操作になっている。FPSみたいな主観視点だった。3D酔いを起こしやすい急な視点移動を現実のように遅らせるしくみがないので、長時間プレイしていると気持ち悪くなってくる。

    これに対する解決策として、ベルトコンベヤーを持ち上げることで下を通過できるようにしたりして、ジャンプして飛び越えなくてもいいようにするとマシになった。ティアを解放していくとベルトコンベヤーを壁や天井に這わせたりできるようになる。また、リフトコンベヤーといって垂直方向に搬送するしくみもある。

    生産ラインを作っていくとだんだんごちゃごちゃしてくる。というのもこのゲームには整地の要素がないので、でこぼこのある地面の上にそのまま生産設備を置くことになるから。

    さすがにそれだと徐々に混沌としてくるので、土台と呼ばれる床を敷き詰めることにより、マス目に沿ってきれいに生産設備を配置することができるようになる。ただ、この土台も地面に置くと地表のでこぼこに影響を受けることになる。平野が広がっているように見えても微妙に地面が傾斜していたり、でっぱりやへこみがあったりするので。

    そこでなんと工場は最終的に空中に作ることになる。最初は違和感ありまくりだった。重量のありそうな生産設備を空中に並べていくことに。これはもう慣れるしかない。いきなり空中に配置することはできないので、厚みのある土台やスロープ(坂)を重ねていって地表から離れたところに敷き詰めていく。このゲームには重力の要素は少なくとも建築物には働かないので、一度設置してしまえばあとから土台を解体しても空中にとどまり続ける。

    このゲームには最初に書いたように探検の要素もあって、謎の植物群が生い茂る森や、カラカラの岩砂が広がる砂漠なんかが広がっている。でもこれも空中に土台を作ってしまえば上空を移動できるので興ざめしてしまう。さすがに地表にあるアイテムを拾ったり資源採掘スポットを探したりするには地表に降りる必要があるのだけど、設備を設置するのは空中からでもできてしまう。

    地表には外敵がうろついている。このゲーム、敵は襲撃してこないのだけど、なわばりに入ると襲ってくる。また、襲ってくる相手はプレイヤーだけで、生産ラインは攻撃してこない。factorioみたいに襲ってくる虫から設備を守るために撃退用の防衛施設を置いたりする必要はない。外敵と戦うための武器は段階的に解放され作ることができるようになる。なにげに敵を倒すのも楽しい。

    設備は作るために各種材料が必要になるのだけど、解体すると材料が100%戻ってくる。なので建ててみてちょっと位置が気に食わなかったりしたらいったん分解して建て直すのも気軽にできる。

    ブループリントと言って、設備を作るパターンを覚えさせてまとめて設置することができるようになる。たとえば鉄鉱石を精錬してインゴットにして鉄板を作るところまでのラインをまとめて設置できる。パターンを覚えさせるのも簡単で、ブループリントデザイナー上に実際に設備を作るだけ。メニューから保存すると何度でも使いまわせるし、ロードしてちょっと修正しては保存することで改良していくこともできる。作ったブループリントはカテゴリーに分けて複数管理することもできるし、実体はファイルなので誰かと交換したりすることもできる。

    自分は160時間ちょっとでクリアできた。Steamのクリアの実績が3.9%しか達成されていなくてびっくりした。高難度アクションゲームのダークソウルシリーズでもここまでじゃなかった。

    このゲーム、各生産物に対して最低でも一本ずつ生産ラインを作れば、あとは時間さえ掛ければ必要なものは作れるのだけど、それだと膨大な時間が掛かってしまうのでたくさん生産ラインを作らなければならない。それに、高度なものほど材料を要求されるので、少なくとも原材料となる資源はかき集めなければならない。そういうところが面倒くさくなって途中で脱落してしまうのかもしれない。

    自分も実際、原子力発電関連でイライラして途中でイヤになったこともあった。ウランが放射性物質で、防護服を着た上でフィルターを消費しないとライフが削られていくし、ウラン燃料棒を作るのに方々から材料を集めた上でいくつもの工程が必要なことに加えて、発電したら廃棄物まで出てしまうのでそれを処理しなければならない。まあでも原子力発電は別に行わなくてもその前の燃料発電を整備すれば大体電力は確保できる。自分が参考にした攻略動画を作った人も、初回プレー時はそれでクリアしたらしい。

    自分が参考にした動画は、ゆあちゃんねるというところのもので、ゆっくり動画風の合成音声で「だてんちゆあ(堕天使ゆあ)」が工場長ずんだもんに色々と教えていくという体のものだった。

    【Satisfactory】初心者でも活用できる100%効率工場術
    https://youtube.com/
    playlist?list=PLCu3aJfqYoLzdd9Og
    bP-HoidUMX1ocXAt&si=hhrTvWv2
    2jPzOWpT


    ちゃんと編集されていて対話形式で伝えてくれるのでわかりやすかった。ただ、さすがにここまで生産設備ごとに調整して無駄がないようにする必要もないと思う。そこもおもしろい要素ではあるのだけど。

    このゲーム、プレイヤーはFICSIT社というブラック企業の社員の設定なので、それに絡めていろんな冗談が出てきておもしろかった。たとえば、プレイヤーがダメージを受けるとFICSIT社の資産が棄損されたと画面に出てくる。最初なんだと思った。ミッションは誰にでもできるとなごやかなデモ画面が流れる一方で、同じ星に降り立ったはずの同僚が乗っていたと思われる壊れた探査ポッドが地上のあちこちに落ちているw

    敵と戦う要素もあるのでFPS(主観視点シューティングゲーム)があまり好きじゃない人は苦手に感じるかもしれないけれど、ティアを進めて遠隔武器を解放し、フォートナイトみたいに高台を作れば割と安全に敵を一方的に攻撃できる。ただし、ジャンプしてくる敵もいるし、洞窟もあって狭い場所で戦わないといけないところもある。まあそういう場所に行かなければいいし、セーブとロードは無制限なので何度でも挑戦できる。

    攻略を進めていくと、この星の謎の知的生命体(?)からのメッセージを受け取ることがあるのだけど、大してストーリーがなくて終わってしまった。サブノーティカみたいな神秘的かつ感動的なストーリーもないので拍子抜けするかもしれない。

    正直このゲームを万人に勧めるのは無理だと思う。割と面倒くさい戦略ゲームもプレイしてきた自分ですら、終盤の大量納品は大変だった。様々な輸送手段は用意されているけれど、結局のところベルトコンベヤーやパイプラインでつながなければならないので、最後の方になると無秩序にそれらがスペースを這いまくった。

    一本のコンベヤーに数種類のモノを運ばせることもできるのだけど、使うときはセンサーで分配してやる必要があり、時々思うように流れてくれないこともあった。バグというよりはタイミングによって先が詰まっていると判断されるからだと思う。…まあバグかw

    ゲーム開始時に四つの選択肢があるのだけど、どれを選んでも同じマップでスタート地点が違うだけだった。マップが広いようで狭いようで広いので(?)、一回クリアしただけではたぶん全体の2割ぐらいしか探索できなかった。

    一度クリアしたあとで今度は効率プレイがしてみたくて別のところを選んで最初からやってみているのだけど、風景が全然違うので新鮮にプレイできている。まあ最初は思っていたよりも似たような展開になったんだけど、資源の場所とか全然違うのでこれから展開が変わってきそう。初回プレイ時は結局電車を使わなかったので今度は使ってみたい。駅や荷下ろし場所なんかのほかに信号まであって結構本格的だった。

    音楽は独特でそこまでいいとは思わなかったけど、無いよりはあって良かったと思う。効果音というか工場の環境音が結構リアルというか雰囲気があって、ちゃんとうるさいというか工場の中にいる感じがしてよかった。

    グラフィックスはきれいで、地球とは違った生態系の自然が素晴らしかった。いろんなところを周るといいと思う。施設の外観もそれっぽい。なにより良かったのはユーザーインタフェースで、ベルトコンベヤーとか配管とかを敷く操作がとても自然でやりやすかった。

    戦略ゲームでありながらアクション性もあるなど、人を選ぶところもあるけれど、どうしてもダメそうでなければぜひ遊んでみてほしい。

    [参考]
    https://store.steampowered.com/
    app/526870/Satisfactory/

    コメントはありません

    manuke.com